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野菜事業のことなど(2)

野菜事業のことなど(2)

(前号の続きです)
初めてお届けした宅配の野菜セットの反響に驚いたわけですが、そこから話がつながります。何とその一人から「この野菜を使ったお店をやってみないか?」との話が!初めは冗談かと思いました。

詳しくお聞きすると、元々皆が集まるサロン的なお店を持ちたいとお考えだったようで、しかも大の野菜好き。この野菜を使って料理を出したら絶対に喜ばれる、と思われたようでした。

嬉しい話ではありますが、いかんせん飲食店は全くの素人。「野菜をお届けするぐらいなら」と返事をしたつもりが、いつの間にやら代表(先に法人化しちゃいました)になっており、ここから地獄の日々(?)が。

知り合いの飲食店経営者にも店舗の立ち上げに参加してもらい、まずはコンセプト作りから。喧々諤々の末、野菜をふんだんに使ったイタリアン&ワインのお店をするになりました。

それからオープンまで約半年、改装工事の遅れやスタッフの確保、メニュー作りの混乱など様々なすったもんだがあるのですが、この辺りはまた機会があれば触れてみたいと思います。

そんなこんなでようやくオープンしたのが「dining&bar be」です。広島市内、並木通りの南にあり、小さなビルの2階、40席ほどのシックな作りで、窓が全面開放できるとても心地の良い店です。
(現在は「restaurant be」と名を変え、フレンチの店になりました。今でも野菜はまごやさいを使用)

メインメニューに据えたのは「バーニャカウダ」。冷たい野菜を温かいソースで食べるイタリアのサラダで、当時は広島にこの料理を出している店はほとんどありませんでした。
ガラスの大きな器にクラッシュアイスを敷き詰め、生け花のように十数種の野菜を盛りつけたバーニャカウダは強いインパクトがあったようです。
しかも、その野菜の多くはその日に収穫したもの!その上、収穫した本人が給仕している(代表兼ホール担当です)ことも評判となり、オープン当初から色々なメディアで取り上げて頂きました。

色々な飲食店の方もお店に来られました。その多くが「この野菜、美味しいけど、どこで仕入れてられてますか?」とのご質問を頂きました。
「私が採って持ってきています」とお答えすると「ウチももらうことができますか?」「いいですけど少量多品種で時期によって採れる野菜が変わりますが、それで大丈夫ですか?」「大丈夫です、むしろそれが良いんです!」

そんな会話が頻繁に交わされるうちに、小さな農家の地元野菜を欲する飲食店がかなりあることに気付きました。

一方で、野菜を出したいと仰る地元の農家さんも口コミで増えていきました。そこでお店の休み時間に農家さんに出荷予定のヒアリングをして注文表をエクセルで作成し、飲食店さんにFAXを送るようにしました。これが今の野菜事業の原型となりました。
(次回に続きます)