野菜事業のことなど(3)
(前号の続きです)
オープンしたイタリアンレストラン「dining&bar be」に来られた飲食店の方が増えるに従い、野菜の取引先が増えてきました。
注文表を作るのはランチのディナーの間の休憩時間。農家さんに電話をして「明日の野菜は何がどれぐらい出そうですか?」とヒアリングし、それをエクセルの表にまとめるのですが、いかんせん少量多品種が特徴の小さな農家が中心です。10人に聞くと100種を超える野菜の注文表が出来上がりました。
今度はその注文表を取引先にFAXします。返信が揃うのを待って注文を集計し、再度農家さんへ連絡、それを翌朝受取って、また取引先に運ぶという形でやっていたのですが、取引先が10件を超えたところで業務が混乱してきました。
注文が重なって予定収穫量を超えた注文(過発注)が増え、その都度農産と調整、難しければ今度は取引先に相談、と限られた時間内で対応するのは難しい状況となりました。
しかも、取引先はどんどん増えていきます。また、出荷したいとご希望される農家も増加しており、このままでは業務が破綻することは明白でした。
一方で、小さな農家とこだわりの飲食店を結ぶ野菜流通の広がりに大きな可能性を感じるようになりました。何とかできないか?そこで考えたのが出荷~受発注のシステム化でした。
たまたま前職で社内システムの構築に関わっており、上手く業務を整理すればシステム化ができるのではないかと感じていました。ただ、飲食店の経営もしながらそれを進めるには到底時間が足りなさそうでした。
「dining&bar be」 は結局2年で代表を引かせてもらい、システム化に向けての準備に入りました。広島のIT企業・(株)ちゃネットさんとのご縁もあり、1年後、出荷から販売・業務管理までをトータルでカバーする「MAGO-NET」が完成しました。
結構なシステムに仕上がったとは感じましたが、事業のプロがどう思うか聞いてみたいと思い、 「第20回ひろしまベンチャー基金」のビジネスコンテストに応募してみました。70社以上が応募する広島ではかなり伝統のあるコンテストで、MAGO-NETは育成部門で金賞を獲得することができました。
出荷された野菜を高速でネット掲載し、飲食店は専用サイトから、個人はECサイトから 注文を受け、受注管理や検品・請求までを機能に盛り込んだ統合型システムで、この運用自体が野菜流通モデルになっている形です。
その後、本システムは「新連携」という事業認定を経済産業省と農林水産省から頂くことにもなりました。
その後、2回のリニューアルを経て現在に至ります。本サイトはその派生形として、主にはセット野菜のご注文をお受けするものとなっております。