深掘り!旬野菜の話「サツマイモ」
サツマイモが収穫期を迎えました。いわゆる「芋掘り」。
その昔、農業体験をしていたころ、10月は決まって芋掘りをメニューに入れていました。
芋のツルを引っ張るとサツマイモが次々に地中から出てきて、高々とそれを掲げ「採ったど~!」と叫ぶ姿、なかなか良い光景ですね。実現すればですけど。
ふかふかの土質なら 上手くかもしれませんが、残念ながらわが農場の土は粘土質で、特にこの時期は晴れが続いて土が固くなっており、ツルを引っ張ってもサツマイモは上がってこず、ブチブチ切れることが多いです。
体験ではまずは芋づるを引っ張り、残念な結果を見てもらった後に、スコップ登場。子ども達にもどう掘れば上手くいくかを考えてもらいました。
普通に畝の上からスコップを入れるとサツマイモを切ってしまう可能性が高い。これでは売り物にならないよね、なんて話すと、芋の位置をはじめに探しておいて掘る子や、畝の端から掘り始める子、手で掘る猛者など様々でした。
サツマイモは植え方によって採れる芋の大きさや数が変わる面白い野菜でもあります。
芋のツルを植えるのが栽培のスタートです。種芋を越冬させてツルを取る人もいますが、かなりの手間で、ほとんどの人はツルを購入します。
畝に対して垂直に植えればできる芋は大きくなり、畝に対して平行に植えれば芋は小さいものの数が多く採れます。斜めに植えてみたこともあるのですが、それなりに数は多く、芋も大きめのものが採れました。
サツマイモはとても強い植物で、切ったツルを土に刺すだけで成長していきます。刺した間際に太陽に炙られるとクタッとなってしまいますが、それでもほとんど枯れることはありません。
刺した後はほぼ放任で、茎がどんどん伸び、葉がワサワサ茂ってきます。途中に農薬や追肥をすることもなく手のかからない野菜です。収穫までにやることは二つ。
一つは、ツル返し。8月に入ったころ、伸びたツルを持ち上げて、ツルから伸びた小さな根を切ります。そのツルをひっくり返して畝に置くのでこの名がついています。これで芋がより大きくなります。
もう一つは、ツル切り。収穫の1週間ぐらい前にツルを全て切ってしまいます。収穫の効率化の面もあるのですが、養分が逆流して甘くなるとも言われています。
そして収穫。掘りたてのサツマイモは皮がとても薄く、ちょっと触るとすぐにめくれてキズのようになります。それが乾く過程でコルク状になり、それが多いと売り物になりません。
なので、皮が落ち着くまで掘ったまま畝に2,3日置いてきます。雨が降ると痛むので晴れが続く日を見計らって収穫日を決めます。
乾いた後もすぐには食べません。2週間ほど置いて追熟(デンプンが糖に変わっていきます)させてようやくOK。
長く保存するとより甘くなるのですが、サツマイモは寒さに弱く(適温は15℃前後)、冬に入ると保存が難しくなります。まごやさいでは段ボールにもみ殻を敷いて、集荷場の部屋内で保管します。
まごやさいに出荷される品種も色々です。紅はるか、シルクスイート、鳴門金時、安納芋、紫薩摩芋など。それぞれの農家が自分の好みが色濃く反映されます。
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