深堀り!旬野菜の話「ルッコラ」
最近はかなり一般化した野菜だと思いますが、お恥ずかしながら農家をするまでこの野菜を知りませんでした。
作るきっかけになったのは、当時経営していたイタリアンレストランのシェフがこの野菜を探していたから。なかなか良いものが手に入らないらしく、だったら自前で作ろうかという話になり、栽培するようになりました。
アブラナ科の野菜で、この科はキャベツや白菜、大根など仲間が多く、育て方も近しいと思って簡単に考えていたのですが、これが思っていたより難しい。
とにかく虫にやられやすい。農薬を使えば簡単なのでしょうが、できれば使いたくない。簡易なトンネルをして虫を防ぐと今度は風通しが悪くなって病気になったり、肥料が切れて葉が変色したりと、出荷できるようになるまで結構苦労しました。
今では、まごやさいの出荷農家の中で、5名ほどがルッコラを栽培されています。中にはセルバチカという野生に近い品種や、コルチバータという葉がとても柔らかいサラダ向きのものを作る方もおられます。
この野菜の特徴は、何と言ってもその香り。普通に葉を嗅いでも匂いませんが、口に入れて噛んだ瞬間に強い風味が広がります。ゴマのような風味と表現されることが多いですが、ゴマよりもかなり強い、刺激を伴うような感じがします。
それと、ピリッとした辛み。これはアブラナ科特有で、大根やクレソンにも同様な辛みを感じることがあります。
この野菜で不思議なのは、それ単体で食べてもあまり美味しくない(あくまで個人的感想です)のですが、刻んでサラダに混ぜ込むと途端に美味しくなるところ。サラダの味に深みを与え、豊かな香りが広がります。
そういえば、あの店で食べたサラダは確かこんな味だった。冒頭に知らなかったと申しましたが、食べたことはあったのですね。ただし、主役ではないので名前までは知らなかっただけでした。
肉料理の付け合わせにも合い、この場合は刻まずそのまま使います。なので、小さな株の方が使いやすいです。肉料理の脂っぽさをさっぱりさせ、次の一口がまた美味しく感じます、
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