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深掘り!旬野菜の話「短系自然薯」

深掘り!旬野菜の話「短系自然薯」

自然薯と聞いてどんなものを想像されるでしょうか?

おそらく、まっすぐに伸びた細長いもので、とても粘りが強い山芋ではないかと思います。日本原産で正式名はヤマノイモ、中国地方各県に産地化に取り組んでいる団体があります。

同じような名前で、ヤマトイモというものがあります。こちらは手のひらを広げたような形にるイチョウ芋や、こぶしのような丸形のつくね芋が該当します。

こちらは色々な仲間があり、地域によって呼び方も様々。加賀丸芋や伊勢芋、丹波芋など、その地の名称を冠したものも多いです。

で、今回の短系自然薯。この地で昔から作られている山芋で、地元では単に自然薯と呼ばれています。形状はイチョウ芋に近く、自然薯では誤解を招きそうなため、短い自然薯という意味で「短系自然薯」と名付けています。

おそらく、ヤマトイモの亜種ではないかと思われ、粘りは自然薯ほどではないものの結構強く、少し甘みを感じる滋味深い味わいです。

すりおろしてしばらくすると変色して茶褐色になります。変色を止めるには少し酢を混ぜるか、さっと漬けるかすればOK。ただし、変色しても味自体に大きな変化はなく、美味しくいただけます。

おろしてそのまましょう油やポン酢に付けて食べるか、出汁でのばしてとろろご飯にするのが基本線。団子(固めに仕上げるにはつなぎに片栗粉)にして鍋やスープに。卵を加えてバターを敷いて鉄板焼きもお勧めです。

栽培にはあまり手がかからず、肥料も初めの1回(元肥)のみ、農薬も使いません。つるをどんどんの伸ばしていくので、ネットを張ってそこを伝うようにします。マルチ(防草用のビニール)を畝に敷いておけば草取りも必要なく、植え付けた後はほぼ放置状態です。

問題は栽培期間の長さ。今回のものは2020年5月に植えたもので、収穫までに18か月を要しました。

それと、収穫に労力を要すること。地中深く入り込んでおり、特に上部は細くすぐに折れてしまいます。完全体で掘り出そうとすれば周りからスコップで慎重に掘り進める必要があります。うまく収穫できた時は高揚感がありますね。

30分かけて掘り上げました!

蛇足ながら、晩夏にはつるに「むかご」が付きます。「肉芽」とも呼ばれる脇芽で、これを植えても短系自然薯はできます。収穫までの時間は更に長くなりますが。。。

むかごは食用にもでき、味は自然薯に近く、食感はホクホクです。炊き込み風にした「むかごご飯」や甘辛煮にすると美味しいです。

珍味のむかご

もう一つ蛇足ながら、隣町の白木町には「ため芋」という地元の山芋があります。こちらはつくね芋によく似ていて粘りがとても強く、変色は少なめです。滋味深い味わいは短系自然薯と同様、この時期限定の「掘り出し物」です。

ため芋

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