深堀り!野菜作りの話「畝立て」
今回は野菜ではなく、作る方のお話を。
現在、来春収穫の野菜を種まき最終期、まごやさい農園でも大急ぎで支度をしています。気温が下回ると発芽しなくなり、もうギリギリのタイミングです。
その種まき前に必要なのが「畝立て」。種をまく場所を整える作業です。うまく芽が生えて育ってくれるかを決める非常に大事なポイントの一つです。
この畝立ては、農家によってやり方が様々、野菜作りの考え方やこだわりがよく表れます。高畝・平畝に始まり、深く耕す・軽く耕す・耕さない、土壌改良資材を入れる・入れない、肥料の種類・入れ方、マルチ(防草・保湿用のビニール資材、透明から黒・白、穴あき・無しなど色々)使用・不使用など、挙げていけば切りがありません。
もちろん、作る野菜によって使い分けることが多いので、同じ農家内でも色々な畝が立ちます。ですので、一概に「こうするのだ!」とは言えないのですが、まごやさい農園の代表的な畝立てを今回ご紹介してみます。
まずは、作物が植わってない(多くの場合は雑草が生えてしまっています)をトラクターで耕します。低速回転で2回・高速回転で1回の計3回耕します。
しっかり土がほぐれたら、今度は溝上げ。畝の横にある排水路兼通路になる部分です。こちらは管理機を使います。この管理機は、前方の左右部分が翼のように持ち上がるようになっており、歯が高速で回転し土を飛ばし、翼の部分にあたって左右に落としていきます。
見た目は小さいのですが、結構重くて取り回しが難しい農機です。何度か腰をやってしまい、今でもこれを使う時は気合が入ります。決めた畝幅に合わせて真っすぐ溝を上げていくのですが、目印がないとどうしても曲がってしまい、進路に目印の棒を立てて、それを見ながら前進していきます。
地面の状態により左右にぶれるので、それを力で軌道修正するを繰り返します。2本も上げると汗がだらだら、5本目ぐらいには腕がパンパン、腰はガクガクです。
管理機で溝上げが終わると、畝の原型(土が盛られた高い部分)ができます。そこに牛糞たい肥を入れていきます。こちらはスコップで一輪車にたい肥を入れて、畝まで運んで下すをを繰り返します。
それと並行して、溝をジョレンという鍬の一種で、溝に散らばった土を畝に上げて仕上げていきます。綺麗に上がった溝は美しく、ちょっと達成感ありです。
その後に登場するのが小型の耕運機。われわれはコマメと呼んでいます。たい肥を入れた畝を壊さないように耕していきます。よく耕さないと野菜が肥料焼け(直接触れて痛む)を起こすことがあるため、2~3回丁寧に混ぜます。
そして、最後の仕上げで畝を均ししていきます。ここと使うのはレーキという、西遊記の猪八戒が持ってたような熊手に似た農具です。一本一本丁寧に均して出来上がり!水はけがよいように少し中央が盛り上がったかまぼこ型にすることが多いです。
これで2、3日置いて肥料を馴染ませ、種まきをしていきます。
種の巻き方も野菜によってそれぞれ、この辺りもまた機会があればご紹介したいと思います。
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