深堀り!旬野菜の話「里芋」&「親芋」
里芋のシーズンがやってきました!
派手さはありませんが(個人的感想)、国が定める指定野菜の一つ。これは特に消費量の多い野菜14品目を指定しており、野菜の中では収穫量ランキングは15位。それなりに?メジャーな野菜です。
自家用野菜を作る農家も、必ず作る野菜の一つですね。
栽培について
里芋の葉はとても大きく、茎はとても太くなります。前の年に収穫した里芋を種芋として保存し、5月の田植えが終わった頃に植え付けをします。
草姿に合わせて大きな畝を作ります。肥料が沢山必要な野菜で、有機たい肥をたっぷりと混ぜ込みます。
それと水。特にぐんぐん成長する夏場はたっぷりと水が必要です。なので、水の便が良い場所で作ります。
田んぼを畑に転作する時に、最初に植える野菜の一つでもあります。
害虫は付きにくいのですが、それでもよく見かけるのはアゲハ蝶の幼虫。親指大の黒と黄色のカラフルな芋虫が角を突き出して這うさまに遭遇すると、ちょっとビックリ、恐る恐る手で取り除きます。
そして収穫。10月半ばから始まります。青々した葉が枯れてきた頃(写真参照)が収穫開始の合図。太い茎の周りをスコップで掘り、沢山子芋が付いたボウリング玉大の塊を丸ごと採ります。
そのまま洗って出荷するのが基本ですが、畑に埋め戻して必要な時に取り出す場合や、掘らずに茎の上部を切り、もみ殻を山積みに被せて、冬に随時掘り返すという方法もあります。
食べ方など
通常、子芋と呼ばれるピンポン玉大の芋を食しますが、親芋と言われる茎の直下にある大きな芋、また茎も食べることができます。
親芋は一つの茎に1個しかなく、この芋の周りに沢山の子芋が付き、その次に孫芋が付きます。子宝に恵まれ子孫繁栄の象徴とされるのはこのためです。流通するのは主に子芋たちです。ねっとりした食感は煮物や煮っころがしで美味しいですね。グラタンに使うのもお勧めです。
一方、親芋(上記写真参照)は大きいものはソフトボール大にもなり、こちらは加熱するとホクホクしたジャガイモのような食感になります。味は里芋同様、一度下茹でして厚切りにして天ぷらや鉄板焼き、潰してコロッケにしても美味しいですよ。
赤芽大吉という品種は親芋がとても大きくなる品種で、1kgを超える大きさになることもあります。ホクホク感がとても強く、子芋も普通の里芋よりはホクホクした感じです。煮溶けることが少ないので料理が綺麗に仕上がります。味も良いですね。
そして茎。芋がらとも呼ばれ、中はスポンジ状になっています。アクが強く下処理でアク抜きが必要ですが、それをすればシャキシャキとしたとてもユニークな食感で、酢の物や煮物・汁物に使えます。この近所では、ご年配の方々が好んで使っておられます。
なお、茎を専門に食べる品種もあります。こちらはアクが少なく、皮を剥けばアク抜き無しでそのまま料理に使えます。
保存のことなど
長く貯蔵するなら泥付きのままの方がお勧めです。
ただ、流通しているものは、表皮のひげ根を取り除き、きれいに洗浄してありますので、この場合は新聞紙にくるんで野菜室に入れておくのが良いと思います。
もし湿気がある場合は、一度乾かしてから保存する方が良いです。
秋から冬場は常温に置いても問題ありません。ただし、10度を下回る場合は傷みが出やすいので避けたほうが良いです。
切り口にはすぐにカビが来ます。そこから悪くなることが多く、切り口があるものはしっかりその部分を拭いて保存することをお勧めします。
もし切り口にカビが生えても、その部分を切り落とせば十分使えます。
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